完治を望めない障害

発達障害は病気であるのですから、当然医学の力を借りることになります。基本的には投薬治療と生活療法の二本柱で進めることになります。両者に優劣はありませんが、投薬治療が急速に進歩しているのは事実であり、例えば子どもに投与していたADHDの薬を成人向けに転用することが、その有効性から認可されたりしています。生活療法も日々改善していますが、基本的な枠組みが短期間で大きく変容することはないでしょう。具体的には心理教育で障害のあれこれを学んだり、ソーシャルスキルトレーニングでコミュニケーション能力を向上させたりします。発達障害児向けに特化したデイケア施設は数も少なく、今後の課題とされています。
いずれの療法を選択したところで、本人と家族、職場の同僚が留意しなければならないことがあります。それは、発達障害は完治しないという現実です。つまり生涯に渡り、発達障害と格闘しなければならないのです。とは言え、極力目立たせないように症状を緩和することは可能ですから、克服しようとする意欲を失ってはなりません。少なくともトレーニングを受けて、自分の言動が障害の特性なのか、それとも副産物なのかを峻別できるようになると、効果的な治療法を選択できるようになります。また、完治しないことを理由にしてやけを起こさないためにも、「障害」を「個性」と見做すような認知転換は有効だと思われます。障害が絡んだ思考、行動も、見方によっては個性と捉えることが出来ます。実際、芸術家に発達障害者が多く含まれることはよく知られており、自分の障害を巡って悲観する必要はないのです。

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